活動報告
第30回日韓フォーラムが、2022年8月24日から26日にかけて東京にて開催されました。日韓フォーラムは、1993年に細川護煕総理大臣と金泳三大統領との日韓首脳会談に基づき設置された民間レベルの政策協議のためのフォーラムで、Korea Foundationが韓国側事務局を、日本国際交流センター(JCIE)が日本側事務局を務めています。日米間の民間レベルの会議である「下田会議」をモデルとして、未来志向の日韓関係の在り方を検討するために、両国のオピニオン・リーダーの参加のもと、政治、経済、文化など幅広い分野にわたり両国の交流の推進を図っており、1993年以来、毎年開催されています。
新型コロナウイルスの影響で、昨年・一昨年はオンラインでの開催であり、3年ぶりに両国参加者約50名が一堂に会してのフォーラムとなりました。「日韓の国内政治と両国関係の展望」、「日韓経済関係と経済安全保障」、「東アジア地政学の新展開」、「総合討論:日韓懸案への新たなアプローチ」の各セッションにおいて、精緻且つ多角的な議論を行い、「早急な首脳会談とシャトル外交の復活」、「戦略的対話の再開と軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常な運用」、「日韓経済閣僚による2+2の制度化と韓国向け輸出管理運用の見直し」「政治リーダーの決断および対話を通した信頼回復と両国関係における発想の転換」などの点で一定の合意が形成されました。これらの合意点および後述する第8回日韓ジュニアフォーラムにおける議論のポイントを盛り込んだ「第30回日韓フォーラム:東京共同声明」が、全参加者の同意を得て、採択されました。同声明は、8月26日に、両国議長により松野博一官房長官に報告され、日韓メディア向けの記者発表を実施しました。また、日韓フォーラムが、30回の節目を迎えたことから、これまでの歴史を踏まえ、歴代議長による特別セッションが開催され、同フォーラムの回顧と展望が語られました。
また、サイドイベントとして、日韓の学生による第8回日韓ジュニアフォーラム、第7回日韓フォーラム賞授賞式が、それぞれ開催されました。
第8回日韓ジュニアフォーラム
日韓両国の大学・大学院生などによる日韓ジュニアフォーラムは、本年第8回の開催となりました。2022年8月18日に両国から22名が参加し、「歴史とどう関わるか」、「ジェンダーをめぐる両国の社会状況」、「総合討論:日韓懸念への新たなアプローチ」をテーマに議論を行い、両国の代表者が、その成果を8月25日、日韓フォーラムの席上で発表しました。
第7回日韓フォーラム賞
2016年に、日韓関係に顕著な貢献をした個人・団体を顕彰する目的で創設された「日韓フォーラム賞」第7回授賞式が8月25日に行われ、日韓フォーラムの創設者の一人で、初代日本側議長を務めた小和田恆氏に授与されました。席上、林芳正外務大臣が駆け付け、祝辞を述べました。
日韓フォーラム30周年記念事業
日韓フォーラム設立30周年を記念して、その歴史をまとめた「日韓フォーラムの30年 記念資料集」を編纂、日本語・韓国語の合本で発刊しました。 PDF版は後日公開予定です。