活動報告
2020年9月16日に、日本国際交流センター(JCIE)の主催により、「外国人材の受入れに関する円卓会議」(以下、円卓会議)2020年度第二回会合を開催しました。「コロナ禍の在留外国人の雇用及び生活への影響」をテーマに、前回に続き新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインによる遠隔会議として実施されました。28 名のメンバーのうち24名(代理出席を含む)の参加を得ることができ、活発な議論が行われました。
最初の議論では、大河原座長のモデレートのもと、「コロナ禍による日本経済及び在留外国人就労政策への影響」をテーマに、スピーカーとして太田知宏氏(ゴールドマンサックス証券 シニアエコノミスト)を招き議論を行いました。太田氏は、「外国人労働者を取り巻く構造変化」と「COVIDと外国人労働者」の観点からプレゼンテーションを行い、今後、外国人労働者の受入れは徐々に増加が見込めるものの、各産業における外国人労働者の労働需要と外国人労働者の出身国の偏りや、感染拡大防止のための入国規制によって人材不足が深刻化する産業があること等を指摘しました。またメンバーからの質問や取り組みの報告に応える形で、一部の業種において人手余りが発生しても若い外国人材への需要が減ることはないとし、企業を含む社会としての外国人の包摂の必要性を強調しました。
続いて、毛受円卓会議事務局長のモデレートにより、「在留外国人の雇用・生活の危機とセーフティーネット」についての議論が行われました。最初に、平嶋壮州氏(厚生労働省大臣官房国際企画・戦略官、前法務省出入国在留管理庁外国人在留支援センター長)によるコロナ禍における外国人への政府の対応の議論が行われました。続いて、岡村アルベルト氏(ワンビザ代表取締役社長)から、自己のペルー出身の生い立ちと経験から、ビザの円滑な取得のためのサービスの構築のための会社の起業したことや、オンラインによる在留外国人からの相談、支援の現状について話されました。
その後の議論では解雇が拡大しつつある外国人労働者の状況や深刻化する生活上の課題が話され、その対策として、外国人に対して職業訓練の一環として日本語教育を検討する必要性や、特定技能と技能実習の見直しなどが提案されました。
閉会の挨拶の中で大河原座長は、円卓会議の役割としてコロナ禍において現場で起きている実態を的確に把握し、その解決に結びつけることの重要性を指摘し会議を終了しました。
資料
・参加者
・議事録
・「コロナ禍の中の外国人支援」(平嶋厚生労働省大臣官房国際企画・戦略官)