活動報告
2020年5月21日に、日本国際交流センター(JCIE)の主催により、「外国人材の受入れに関する円卓会議」(以下、円卓会議)2020 年度第一回会合を開催しました。今回は、新型コロナウイルス感染防止のためオンラインによる遠隔会議として実施されました。オンラインによる遠隔会議は、円卓会議として初めての試みでしたが、27 名のメンバーのうち23名(代理出席を含む)の参加を得ることができ、活発な議論が行われました。
今回の会議では、新型コロナウイルスの感染拡大による国際的な人の移動及び日本に暮らす外国人へのインパクトを中心に議論が行われました。
まず最初に、佐藤美央国際移住機関(IOM)駐日事務所代表から、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるグローバルな人の移動についての説明がありました。各国で取られた人の移動の制限の影響、とりわけ途上国での問題の重大さとともに、各国で徐々に始まっている国境を越えた移動の再開に向けた多様なアイデア、試みが紹介されました。
メンバーからは、日本国内でまたグローバルなレベルで社会心理的不安が広がる中での国内外に向けた正確なデータの開示と情報発信が重要性であることや、国境を超える移動が制限されているなかで日本としての外国人・移住労働者政策についての明確な方針が提示される必要があるとの指摘がありました。
続いて、毛受敏浩事務局長のモデレータで進められた「新型コロナウイルスと日本に暮らす外国人 」セッションでは、外国人コミュニティ、NPO/NGO、企業・経済界、政治行政それぞれの立場から現状や課題についての報告や取り組みなどが共有されました。
各分野からの報告を受けて行われた意見交換では、感染のリスクを抱えながら日本で働いている外国人の実情や、オンラインによる支援の拡大、支援に向けたネットワークの拡大等が紹介されるとともに、中長期の視点から外国人材のマッチング機能の強化、手続きのデジタル化の必要性、日本に暮らす外国人に対する明確な方針とそれに基づく支援・対応の重要性等が議論されました。
最後に、「ポストコロナ時代を見据えて」と題したセッションでは、事務局から、本年度の円卓会議では「新型コロナウイルスと在留外国人への影響」をテーマに、経済・雇用・生活・教育などについて議論を展開し、初回を含めて4回実施するという2020年度の円卓会議の運営について提案が行われ、メンバーの確認を得ました。
また、多くのメンバーから、新型コロナウイルス感染拡大という予想せぬ状況により国際的な人の移動や日本に暮らす外国人をめぐる問題・課題がより鮮明になってきたことを機に、日本としての外国人の受け入れと定着、統合のあり方について抜本的な方向転換に向けた議論が必要との意見が出され、賛同が寄せられました。
資料
・参加者
・議事録
・「新型コロナウイルスとグローバルな人の移動」(国際移住機関佐藤美央駐日代表)