活動報告
2015年7月27日から8月6日までの12日間にわたり、日米青年政治指導者交流プログラムの第26回日本側代表団として6名の若手地方議員や政党関係者が、ワシントンD.C.、ノースカロライナ州(ローリー、ダーラム)、ワシントン州(シアトル)を訪問しました。
日本国際交流センター(JCIE)では、日米両国の若手政治リーダーの交流を目的として、米国青年政治指導者会議(ACYPL)との共催で、1973年からこのプログラムを実施しています。米国からは、地方議会議員や政党の関係者、連邦議会や行政府のスタッフなどが訪日、日本からは、地方議会議員、国会議員秘書、政党スタッフなどが訪米し、政治、経済、社会の課題に関してブリーフィングを受けたり、意見交換を行ったりしています。これまでの参加者は、日米両国で延べ約400名にのぼり、歴代の参加者の間で世代を超えた広範なネットワークが形成されています。本プログラムは、国際交流基金日米センターの助成を受けて実施しています。
今回の訪米の概要は以下のとおりです。
ワシントンD.C.
ワシントンD.C.では、国務省、企業、民主党全国委員会を訪問し、日米関係、ロビー活動、次期大統領選挙、選挙戦略などについてブリーフィングを受け、活発な質疑応答が行われました。ノースカロライナ州選出のデービッド・プライス連邦下院議員への表敬訪問では、連邦議会議員の役割や現在取り組んでいる政策などについて、具体的な話を聞く機会を得ました。また、泉裕泰在米日本国特命全権公使との懇談では、地方を含めた日米交流の重要性などについて、和やかに意見交換を行いました。
ノースカロライナ州
ノースカロライナ州では、州最高裁判所判事、州議会議員、州政府高官、州・郡・市議会議員との懇談を通じて、高度な独立性を保った米国の地方における政治、行政、司法システムについて理解を深めることができました。また、デューク大学やノースカロライナ州立大学ジェームズハント図書館の視察を通し、米国の高等教育および教育予算について知見
を得たほか、SASビジネスインスティテュート社の広大なラボを訪問し、ブリーフィングを受けました。さらに、デューク大学医学部関係者との懇談会では、オバマケアが話題にのぼり、日本の国民皆保険制度の利点と問題点を踏まえ、活発な議論が交わされました。
ワシントン州
続くワシントン州では、エド・マレー シアトル市長を表敬訪問したほか、シンクタンク関係者、郡議会議員との懇談、ワシントン大学およびボーイング社エバレット工場を視察しました。民主・共和両党の州委員会議長との懇談では、選挙戦略や選挙運動について、日米の違いを踏まえた意見交換が行われました。シアトル市では、最低賃金を段階的に15ドルまで引き上げる法案が成立しており、各訪問先で、賛否両論、様々な声を聞くことができました。また、ワシントン大学関係者との懇談では、ワシントン州における州立大学への予算配分、ワシントン州の教育政策などについてブリーフィングを受けました。
異なる都市の訪問を通し、訪米参加者からは、米国の多様性、各州および地方自治体が持つ権限や独自性が肌で感じられ、米国を多面的に理解することができたとの声が多く寄せられました。また、日米を比較しながら、それぞれの利点を認識する好機となったと言えるでしょう。さらに、訪日プログラムが実施された際には、ぜひホストを務めたいとの希望が寄せられ、継続的な日米交流の重要性が共有されたプログラムとなりました。
参加者
池田 麻里、さいたま市議会議員(民主党)
尾島 紘平、練馬区議会議員(自由民主党)
瀬沼 慎治、自由民主党本部組織運動本部女性局
長屋 光征、岐阜県議会議員(自由民主党)
中山 英一、公明新聞九州支局担当部長
守田 幸子、民主党広報委員会副部長
(五十音順、肩書きはプログラム実施時)