活動報告
近年、国際的政策対話の場に参加する日本人が極端に減少しており、「日本パッシング」を超え、「日本ナッシング」とまで揶揄される現象がおきています。
国際社会が大きな変革を迎えている時代でありながら国内問題に忙殺され内向きになっていることの現れですが、そのためには、日本の各界の将来を担う若手リーダーたちが、日本はいかに対外関係に能動的にかかわるべきか、課題を含めて理解を深め、なおかつ、自身の意見として対外的に発信する能力を高める必要があります。
そのための人材育成の場として、JCIEでは2006年度より田中均シニア・フェローを塾頭とする研究会を実施しています。若手リーダー約20名を対象に上記目的を達成するほか、塾生同士の異業種間の交流を促進し、知的な生産活動を通じて異なる視点から対外関係についての理解を深めていただきます。これまで十四期に亘り250名近い各界の第一線で活躍する実務家の参加を得て、自身の分野に偏らない視野を広げると同時に、各界、異業種の人と意見を交わす機会を提供し続けています。更に、新年会、納涼会などで、過去の田中塾の参加者、および田中シニア・フェローが別途主宰しているSMBC田中塾の参加者との交流を深めることで、ネットワーキング醸成の場にもなっています。
本塾は一般財団法人MRAハウスの助成を得て実施しています。
2022年度(第十五期) JCIE田中塾 (2023年1月-2023年3月)ご案内
今年で第十五期を迎えるJCIE田中塾は、「世界と東アジアの構造変化と日本の戦略的対応」をテーマに、2023年1月から2023年3月に開催いたします。
ロシアのウクライナ侵攻からまもなく9カ月が経とうとしている中、この侵攻が国際秩序に与えた意味を考え、国際秩序のゆくえを展望し、日本はどう向かい合うべきなのか議論を行います。また、日本の安全保障環境は、中国の軍事力拡大、北朝鮮の過去に例を見ない頻度の弾道ミサイル実験など著しく悪化しています。厳しい内外情勢に直面する今期においては、特に国際構造の大きな変革期を迎える今、日本を取り巻く環境を俯瞰し、日本の将来についての大きな絵を描く外交とは何か。日本周辺の国際関係を展望し、日本がどのような外交を展開していくべきか、具体的な提言の検討を行っていきます。
本年度も、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全講義オンライン(ZOOM)にて実施予定です。最終回は対面開催の可能性も検討しています。
実施スケジュール(予定)
- 第 1 回 2023年 1月20日(金) : 総論 国内・国際情勢の概観
- 第 2 回 2023年 2月 3日 (金):米国 米国の分断と中間選挙後の動向
- 第 3 回 2023年 2月17日(金):中国 中国における内外のリスクと不確実性
- 第 4 回 2023年 2月24日(金):朝鮮半島 日韓関係の行方と朝鮮半島情勢
- 第 5 回 2023年 3月 3日(金):欧州 欧州の深まる分断
- 第 6 回 2023年 3月17日(金):日本 人口減少、国力低下を受けての日本の中長期戦略
各回タイムテーブル
ZOOMによるオンライン開催
19:00~20:00 講義
20:00~21:00 討議、質疑応答
参加費
参加費用:18万円 (税込。6回の講座、テキスト他など)
公募について
受講をご希望の方はお問い合わせからご連絡をお願いいたします。追って担当より詳細をお知らせします。
過去の麻布田中塾
- 第一期 日本の新しい能動的外交(2006年4月-6月)
- 第二期 台頭する東アジアと日本の外交構想(2007年3月-5月)
- 第三期 能動的対外関係に従事するプロフェッショナルの育成(2009年10月-2010年1月)
- 第四期 日本の対外関係の総点検と能動的外交の再構築(2011年1月-5月)
- 第五期 日本外交の再設計(2012年10月-2013年2月)
- 第六期 地政学的リスクと回避の戦略(2013年11月-2014年2月)
- 第七期 2020年の世界と日本の外交戦略(2014年12月-2015年3月)
- 第八期 中長期的な7大地政学リスク(2015年11月-2016年2月)
- 第九期 グローバル・ガバナンスと日本の中長期的戦略 (2016年12月-2017年3月)
- 第十期 国際構造の変化と日本が取るべき外交戦略(2017年12月-2018年3月)
- 第十一期 平成から新時代へ 能動的・戦略的外交の再構築 (2018年12月-2019年3月)
- 第十二期 国際秩序の行方と日本の役割 (2019年11月-2020年3月)
- 第十三期 ポストコロナ時代の世界地図 日本外交の再定義(2021年1月-2021年3月)
- 第十四期 世界情勢と日本の戦略―日本は米中対立で生き残れるか?(2021年11月-2022年3月)