活動報告

 日本国際交流センター(JCIE)では、2023年8月22日に、休眠預金事業「外国ルーツ青少年の教育スタート支援事業」の一環として、第2回全体会議および、アウトリーチ事業との合同会議を対面にて開催しました。

 

 午前のセッションでは、教育スタート事業の第2回全体会議として、7つの助成先団体及び関係者を含め、27名が参加しました。「外国ルーツ青少年が必要とする“初期適応支援”とは何か」をテーマに、各団体の取り組みの現状を共有し、議論を行いました。各団体では、初期適応において必要な支援内容として、子どもたちが安心できる居場所の提供、日本人/日本社会との関係づくり、日本語能力の基礎を作り、母語能力を保持することを挙げ、現在行っている日本語教室や学習支援教室、進学や就労に関わる情報提供や保護者への情報提供/相談活動の進捗状況について報告しました。また、各団体が支援を行う上で大事にしていることとして、子ども一人一人の背景を丁寧に把握することや、学習や生活面において、日本社会への各自の適応の進度の違いに配慮することなどが共有されました。一方、支援において難しいと感じていることとしては、日本語力・学力、置かれている環境が異なる子どもたちの来日時期が分散している現実への対応や、様々な理由により自信を喪失し、学習意欲を失ってしまっている子どもたちのモチベーションの向上を含むメンタルケアなどが挙げられました。

 

 

午後のセッションでは、教育スタート事業とアウトリーチ事業との合同会議として、13の助成先団体を含む関係者約50名が一同に会し、「枠を超えることを想像する」というテーマで、これまでの領域や地域を超えて行われた連携と協力について振り返りつつ、新たに「枠を超える連携と協力」について考える時間を持ちました。

 はじめに「外国ルーツ青少年未来創造事業」(2019年度通常枠)にて領域・地域を超えた多文化対応推進を目指した「公益活動における海外ルーツ青少年受入れ体制推進事業minc―みんなでつくるインクルーシブ社会」の取り組みから、NPO法人青少年自立援助センターの朝倉氏とNPO法人e-boardの中村氏による「中から広げる実践」と「外から深める実践」の体験談を共有しました。中村氏は、これまで日本人の子どもたちを対象にする活動を行ってきたe-boardが外国ルーツ青少年を対象とした活動に取り組み始めた理由の一つとして、中村氏自身が、外国ルーツ青少年が抱える課題に関心を持っていたことを挙げ、各団体に対して、その取り組みや外国ルーツ青少年を取り巻く現状に対する積極的な情報発信の重要性を強調しました。そして、事業を実施する上で、連携についての資金が確保されていた点も、具体的な成果と実績が得られたポイントとして述べました。これに基づいて、日々の枠を超えた活動の成果や課題、戦略、ノウハウについて議論し、柔軟性を持ったアプローチの価値を考える貴重な機会となりました。

 

 

 

資料

次第(第2回全体会議)

次第(合同会議)

参加者リスト

 

 

これまでの全体会議

第1回全体会議

 

 

 

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