活動報告
日本国際交流センター(JCIE)では、2022年1月20日に、「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)の一環として、生団連(国民生活産業・消費者団体連合会)との連携により実施している「外国ルーツ青少年未来づくり検討会」の第2回勉強会をオンラインにて開催しました。
今回の勉強会では、組織の役職員の半数近くが外国にルーツを持つ方々で構成されるSYDRISの助成対象団体の特定非営利活動法人glolab(以下、glolab)からベトナム、ペルー、中国にルーツを持つ3人のスタッフが登壇し、「知ることからはじめよう、外国ルーツを持つ若者の可能性」をテーマに、日本で育ってきた当事者の声を聞く機会を持ちました。
勉強会の前半では、glolabの柴山智帆代表理事・共同創設者より、1979年からのインドシナ難民の受入れ、1990年の入管法改定と南米を中心とした日系人の受入れ、2000年代からの留学生をはじめとする海外からの就労を見据えた外国人の受入れという日本の外国人の流入における特徴の説明がありました。
その後、その時代の流れと深くかかわりを持ちながら日本に暮らすこととなった、glolabの3人のスタッフに、来日の背景や、日本での出会い、葛藤、選択などのライフストーリーを聞く時間を設けました。3人のスピーカーは、難民、親の出稼ぎ等自分の選択で日本に来たわけではなかったからこそ抱いた悩み、出会いの大事さに触れ、壁を乗り越えながら日本で暮らしている外国にルーツを持つ人々の思いを共有しました。また、進学、就職など様々な場面で壁や偏見、外国ルーツ青少年に対する就労・キャリア形成への支援不足など、日本社会が依然として外国にルーツを持つ人に対する理解が広まっていない現状についても指摘しました。
後半のディスカッションではグループに分かれて、スピーカーの話に対する質疑応答とともに、外国にルーツを持つ若者が持つ人材としての可能性への気づきや、多様な背景を持った人材を組織に迎え入れるために必要な実践や工夫等について話し合いました。最後に、glolabの柴山代表理事から、壁を乗り越えることで培う生き抜く力や、発想力、他者を巻き込む力を持つ外国ルーツ青少年の可能性を広げるためにも、外国ルーツの若者が企業を知り、企業が外国ルーツの若者を知る場を作っていくことが重要と述べました。
今までの勉強会