お知らせ

この度、2023年4月2日から4日にかけて「サニーランズ原則(※)に基づくインド太平洋諸国における民主的パートナーシップ推進」を目的とした第3回サニーランズ・リトリート(集中合宿)が、オーストラリア シドニーで開催されました。このリトリートは、昨年8月に日本 小田原で開催した第2回サニーランズ・リトリートに続く3回目の会合で、日本国際交流センター(JCIE)の民主主義の未来プロジェクトから、主査の高須幸雄氏と共同幹事の市原麻衣子 一橋大学法学研究科教授が出席したほか、インド、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、フィリピン、韓国、サモア、台湾、東ティモール、米国、オーストラリアから 25 人の専門家が集結し、3日間の集中対話を通し次のことを議論しました。

 

  • インド太平洋地域の民主主義の現状
  • 太平洋諸島における民主的パートナーシップと民主的規範の課題と機会
  • 民主的パートナーシップと規範を強化するための道筋と提言
  • 「民主主義のための連携」、「危機的状況にある民主主義の擁護者」、「腐敗防止」、の3つの作業部会からの提案

 

議論を踏まえ、4月5日に共同声明が採択されました。共同声明では、インド太平洋地域の民主的規範とガバナンスを促進するための地域協力の原則とビジョンを示しています。

 

Sunnylands Initiative Statement 2023

日本語訳(JCIE監訳)

 

合宿最終日には、”The Fight for Democracy in Asia” と題する公開パネルディスカッションがシドニー大学で開催され、高須氏がパネリストの一人として参加し、地域全体の民主主義の現状と同盟国がどのように協力できるかについて議論されました。

 

 

 

(※)JCIEは、2018年より「民主主義の未来 – 私たちの役割、日本の役割」プロジェクトを実施しております。2020年1月には数多くの首脳会談が開催されたことで知られるパームスプリングスのサニーランズ荘園に米国とアジア諸国の民主主義問題の専門家が集い、「インド太平洋地域における民主的パートナーシップ強化に関するサニーランズ原則」を議論し、その成果を2021年に”サニーランズ10原則“として、関係国政府に向けて発表しました。以後、JCIEではウェビナー(1,2)などを通して、提言を日本に紹介し、さまざまなセクターとの連携の強化を目指してきました。

 

 


民主主義の未来プロジェクトの概要

冷戦終結により共産主義は自壊し、勝利した自由と民主主義が世界に拡散していくと信じられていました。ベルリンの壁崩壊から30年が経った今、世界各地では権威主義的統治手法が拡大し、先進民主国でさえポピュリズムの台頭でぐらつき始めています。今日の世界において、民主主義は顕著に後退していると言っても過言ではありません。

こうした問題意識を踏まえ、JCIEは、国際秩序と普遍的価値が現在どのような脅威にさらされているのかを理解し、日本としてどのような政策を展開できるのか検討する研究プロジェクト「民主主義の未来 -私たちの役割、日本の役割」を2018年に開始しました。

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