お知らせ
公益財団法人トヨタ財団の広報誌『JOINT』No.30(2019年4月12日発行)に、日韓の移住者交流事業に関するシニア・プログラム・オフィサー李惠珍の寄稿が掲載されました。
現在日本と韓国で移民・外国人を捉える際に主流となっているのは、「国民(日本国籍者)と外国人(外国籍者)」、「労働者たる外国人と生活者たる外国人」という二項対立的な思考に基づいた現状認識と解決策の発想です。そのため、日本と韓国で暮らす移民・外国人は、ホスト社会で働き生活するうえで正確かつ十分な情報・知識をもって「選択」することが難しい状況にあります。
日韓の移住者交流事業は、日本と韓国の社会を構成する人々のマルチ・エスニック化と、外国人の人としてのごく自然な生き方への理解を深め、外国人がより主体的に制度・施策を使えるように情報の流通や協力の可能性を高めることを目指して始まったものです。
一年間の活動を通じて、出自や日韓での社会的身分を超えて交流し、学びあうことで、現状の共通項だけではなく、今後の課題への気づきが様々な局面でみられました。また、移民・外国人を巡るこれまでの発想を変えて、移民・外国人にとっての多様な選択肢を創造することの重要性が提起されました。