お知らせ
日本国際交流センター(JCIE)の長年の盟友であったスリン・ピッスワン元タイ外務大臣・元ASEAN事務総長が去る11月30日、タイのバンコクにおいて急逝されました。
スリン氏とJCIEのお付き合いは古く、同氏がタマサート大学のAssistant Professor時代、1982年の第2回日タイ会議に若手の将来を嘱望されている学者として参加頂いたのが始まりです。それ以降、1991年の第7回日タイ会議までの多くの会議に参加頂きました。タイ外務大臣に就任後の初来日の際、政府以外で会いたい人物として真っ先に山本正JCIE理事長の名前が挙がり、昼食会が開催され、その席上、スリン氏が「山本さんが自分と日本をつないでくれた恩人」と挨拶したことが記録に残っています。
しかし、JCIEがスリン氏ともっとも緊密に関わったのは、人間の安全保障を事業の中心に展開するようになってからです。1998年に「アジアの明日を作る知的対話」第1回会議の東京会議が小渕総理の下で開催され、当時、”Social Safety Nets” を提唱していたスリン氏が基調講演を行いました。2000年の第3回会議はバンコクで開催され、スリン外相に主催して頂きました。
その後、スリン氏がASEAN事務局長就任後、同氏の全面的支援の下、2013年に”ASEAN-Japan Strategic Partneship”が3年プロジェクトでスタートしました。その道半ばで山本JCIE理事長が死去した際には、スリン氏から、同プロジェクトを“ASEAN-Japan Yamamoto Study Project” と名付けようとの提案を頂きました。
このように歴史を振り返るにつけ、JCIEの長年の友人で良き理解者であったスリン氏をこのように早く失うのは悔やまれてなりません。改めてスリン氏の偉大な存在及び功績に敬意を表し、謹んでご冥福をお祈り致します。
JCIE理事でスリン氏と長年親交があったNHK解説委員の道傳愛子氏がNHKワールドの追悼番組に出演し、その内容をご提供頂きましたので御紹介します。
Remembering Former ASEAN Head Surin Pitsuwan
(NHK World, December 1, 2017)