活動報告
日本国際交流センター(JCIE)では、「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)と住友商事株式会社の社員参加型の社会貢献活動プログラム「100SEED」(以下、100SEED)との連携事業を実施しています。
JCIEでは、日本に暮らす外国にルーツを持つ子ども・若者を取り巻く現状、課題と、その課題解決に向けての取り組みの重要性への理解とともに、SYDRISと100SEEDの連携を深めることを目的に、2021年度より住友商事グループの役職員を対象とした「SYDRIS-100SEED多文化共生ランチウェビナー」を実施してきました。
2022年9月9日には、「学びたい心を支える『学習支援』」をテーマに、今年度の第2回目のランチウェビナーを開催し、住友商事の役職員約70名が参加しました。今回の構成としては、SYDRISと100SEEDの連携事業において外国にルーツを持つ子どもの学習支援に関わる4名の登壇者の発表と質疑応答の構成で行われました。
初めに、SYDRISの助成団体である特定非営利活動法人アレッセ高岡で学習支援教室のコーディネーターをしている清水ステファーニユキエ氏により、外国ルーツ青少年が抱えやすい日本語の壁、周りと異なるルーツであるなどの原因で日本社会や学校生活での不適応、学習・進学における高いハードルなど、向き合う課題とその心情についてご自身の経験をもとに話しました。清水氏は、アレッセ高岡のような学習支援の場は、子どもたちにとって、自分と似たような背景を持つ人たちが集まっている場所であり、自分を理解し、寄り添ってくれる人たちがいる安心できる場であり、居場所であると述べました。その観点から、清水氏は外国ルーツの子どもに対しては、「学習面+心の支え」が重要であると話します。ご自身もアレッセ高岡から支援を実際に受けた経験があり、今は支援を提供する立場にいる清水氏の話に、参加者一同大きな示唆を得ることができました。
清水氏の発表に続き、3名の住友商事サポートメンバーが登壇し、サポート活動に参加したきっかけ、オンライン学習支援の様子、学習支援の感想について話しました。サポートメンバーからは、「様々な年齢の相手から話をどう引き出し、自分が言いたいことをどのように伝えて理解してもらうかを学ぶ機会になっている」、「今まで接点のなかった人達との接点が持てて、多くのことを知る機会になっている」など、様々な活動の魅力を語りました。学習支援中のエピソードとして、「支援活動中に驚いたことは何か」という質問に対しては、「家庭科を教えることになったときで、当日まで具体的に何を教えることになるかわからずドキドキしていたが、オンラインの教材を駆使しながら乗り越えた」という回答がありました。
最後に、まだ100SEEDの活動に参加していない人へのメッセージとして、アレッセ高岡の清水氏からは「子どもたちに、自分たちを気にかけてくれる人たちがいることを知ってもらうだけでも子どもたちの安心につながるので、ぜひ参加いただきたい」、サポートメンバーからは、「普段、海外とのビジネスが多い商社だからこそ考えるべきことがあり、言語が堪能な人が多い商社ならではの強みを活かしていくべき」という力強い回答がありました。
これまでの「100SEEDxSYDRIS」ウェビナー
- 「外国ルーツ青少年未来創造事業」(SYDRIS):ランチウェビナー開催(キャリア支援編)(2022年9月2日)
- 「外国ルーツ青少年未来創造事業」(SYDRIS):ウェビナー「『共に生きる』とは」(2022年3月3日)
- 「外国ルーツ青少年未来創造事業」(SYDRIS):ランチウェビナー開催(2)(2021年9月2日)
- 「外国ルーツ青少年未来創造事業」(SYDRIS):ランチウェビナー開催(2021年2月24日、3月2日)