活動報告
日本国際交流センター(JCIE)は、2022年2月3日に、「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)の一環として、第五回ネットワーク会議をオンライン形式で開催しました。今回は、SYDRISの助成先団体の関係者をはじめ、JCIEとの連携事業に基づき助成先団体への支援活動に参加している住友商事株式会社の社員・事務局と一般財団法人 日本民間公益活動連携機構の関係者計42人が参加しました。
今回の会議は、「事業目標に向けての手応えと課題―最終年度に備えての振り返りと成果・情報共有ー」をテーマに、本事業に採択された7つの事業を実施するコンソーシアム団体を含む8つのメンバー団体によってこれまでの事業における成果や課題を共有することを通して、事業全体としてのコレクティブ・インパクトの発揮を目指して団体間の関係性をより強化することを目的としました。
事業におけるこれまでの成果・知見を共有する
前半では、SYDRISネットワーク会議の各メンバー団体より、団体の活動紹介をはじめ、これまで得られた成果、手ごたえ、コロナ禍での活動において工夫したことや活動改善に向けた今後の取り組み等について報告がありました。特に、各団体からは、外国ルーツ青少年である当事者への直接支援に加え、外国ルーツ青少年が居住する地域やステークホルダーを巻き込んだ活動も展開するなど、活動とその成果を広げるための取り組み展開していることが報告されました。
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オンラインの活用によって学習支援の対象とする外国ルーツ青少年の増加やこれまで支援を届けることができなかった地域を含んだ地域にまで対象を拡大することができたり、外国ルーツ青少年がルーツを持つ国の文化や言語を学ぶとともに日本社会との接点持つ活動をしたりすることを通じてエンパワメントされて自信を持つようになったりしたという成果が報告されました。また、多言語によるキャリア情報の発信やキヤリア相談会等の実施により外国ルーツ青少年の進路選択の幅が広がり、就労支援へと結びつける導線が生み出されるなど、受益者にかかわる手ごたえも報告されました。
また、事業の実施を通して、多様な個人・組織とつながりが生まれ、地域、企業や海外の団体との新たな関係性や支援体制の構築、活動拠点づくりにつながるなど、外国ルーツ青少年への支援に向けた基盤が形成されつつある様子も報告されました。加えて、住友商事株式会社の社員の活動への参画(社員参加型社会貢献プログラム「100SEED」との連携事業)が、外国ルーツ青少年の出会いや学びの幅を広げると同時に、広報や資金調達の方法を検討するなどして業務の効率化といった団体の事業運営の改善につながっていることも述べられました。
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以上の報告を受けて行われた質疑応答では、多言語での情報提供の方法、新たに活動を展開する地域への広報、オンラインとオフラインによる活動の組み合わせも仕方など、お互いの活動について質問が投げかけられ、その工夫や改善点可能性などが共有されました。
活動におけるアイデア、ノウハウ、対応策を共有する
後半では、異なる団体同士の組み合わせによるグループに分かれて、外国ルーツ青少年自身の活動の担い手としての参入、学校・行政や他団体との連携、母文化・母語・アイデンティティ、支援が希薄な地域へのアウトリーチ、資金調達、スタッフ間のコミュニケーションといったテーマのもとでディスカッションを行いました。そこでは、テーマに関わる認識や課題、団体として行っているノウハウや対応策が共有され、課題解決のためのアイデアについて活発な意見交換がされました。
最後の全体共有では、各グループより話し合った内容が紹介されました。まだ支援を十分に届けることができていない人々や地域を含めて、活動を広く展開していくためには、地道な情報収集、リソースの明確化、情報共有や自団体の役割に自覚的になることが、他の関係団体や行政との連携を進めるポイントになるのではないかという意見が出され、賛同が寄せられました。また、新型コロナ感染症が拡大する中では、オンラインによる広報を活用して普段接点のない人々にも活動を紹介することができるといった利点がある一方で、リモートワークの継続によるスタッフ間の関わる機会が限られる中でいかに円滑な交流を維持するかが課題であることも指摘されました。外国ルーツ青少年自身に焦点を当てた意見としては、当事者同士が関わり合うことができる場の創出の必要性や自らのルーツが自らの強みであり肯定的に捉えることができるような関わり方が求められているといった意見が述べられました。
資料
・ プログラム
・ 参加者
ネットワーク会議参加団体及び活動報告
団体名 | 報告資料 |
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今までのネットワーク会議