活動報告

日本国際交流センター(JCIE)は、住友商事株式会社との共催で「SYDRIS-100SEED多文化共生ランチウェビナー」を2021年9月2日に開催しました。

 

本ウェビナーは、「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)と住友商事株式会社の社員参加型の社会貢献活動プログラム「100SEED」(以下、100SEED)との連携事業の一環として実施し、住友商事グループの役職員約90名の参加を得ました。

 

ウェビナーの前半では、 外国ルーツ青少年とその家族を取り巻く課題や支援状況についての理解を深めるために、SYDRISの助成団体である特定非営利活動法人青少年自立援助センター(YSC)の定住外国人支援事業部責任者である田中宝紀氏をスピーカーに招き、「海外にルーツを持つ青少年の現状と課題」についてお話しいただきました。

田中氏は、外国ルーツ青少年の「日本語がわからない」「母語が伸びない」といった状況が、最終的に「孤独/孤立」、「高い中退/進路未決定率」や「自暴自棄/自尊心低下」といった深刻な課題を引き起こす可能性を内包していることを指摘しました。また、外国ルーツ青少年の支援を担うべき自治体・ボランティア・NPOの間では、予算や担い手不足等による支援の限界が生じており、支援を必要とする外国ルーツ青少年に対するセーフティーネットが機能していない現状や、自治体・地域間で受入れ体制の格差がある現実について述べました。

最後に、海外ルーツの方々は多様性のすばらしさを伝え、「社会全体に豊かさをもたらす可能性」をもつ存在であるという、前向きなメッセージを社会全体に広げていくことがダイバーシティの推進に寄与してゆくことを強調し、企業活動や日々の社会活動の中で一緒に考えていただくことへの期待を述べました。

 

 

後半では、JCIEのプログラム・アソシエート李スーインのモデレートのもと、YSCで支援活動を行った住友商事サポートチームから代表2名と活動のコーディネートを担当したYSCの福岡里沙氏、田中氏がパネリストとして登壇し、約5か月間の支援活動を振り返り、お互いが本連携プログラムに参加しながら感じたことについて話しました。登壇したサポートチームの代表からは、「海外ルーツの子どもたちが言葉の壁によって学習支援が必要な状態に陥っていることさえ気づいていなかったため、解決すべき問題に気づかされた」、「ボランティア活動というと、高尚な理念がないといけないものだと思い、高いハードルを感じていたが、本活動は会社からのサポートを受けながらボランティア活動ができるためやりやすいと感じた」との感想がありました。なお、サポートチームを受け入れたYSCの福岡氏からは「サポートメンバーとのやり取りの中で、普段行っている業務を言語化することができ、スクールの活動を客観視する機会になった」、「子どもたちが新しい先生との出会いを楽しんでくれて、担当の先生からも大助かりだったとの感想を受けている」との前向きなコメントがありました。

 

第3回目となる今回のランチウェビナーには、住友商事のグループ会社からも多くの参加と関心が寄せられ、住友商事の社内における広がりが見えたウェビナーでした。参加者からは多文化共生に関する課題やサポート活動の活動内容に対する理解が進んだとの感想が寄せられました。

 

これまでの「100SEEDxSYDRIS」ウェビナー

 

 

 

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